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篆刻

篆刻(てんこく)は中国の書家が自分の作品を書いたという印(しるし)を石に彫って作品に捺印した事が始まりと伝えられています。 篆書(てんしょ)を彫るので篆刻といいますが、楷書や隷書(れいしょ)を彫る場合もあります。本来は自分の名や雅号を彫る落款印(らっかんいん・自分の名前の下に押す印)でしたが、時代が進むにつれ詩や名句などを彫刻してその美を競うようになり書道芸術の一環を成しています。
篆刻で一番重い印は本名を彫る「白文(はくぶん)」で、字を彫るため捺したときに紙の白が出るのでこの名がつきました。雅号や名前以外の遊びの印は通常「朱文(しゅぶん)」(字を残す印)が多く、捺し方としては白文を先に押し、朱文を後に押すのが伝統的な形です。
篆刻に彫る文字は「篆書体」か、その前の時代の書体「金文体」を使う事がほとんどです。
篆刻に使われる石は、寿山石や青田石、巴林石など彫りやすく美しい軟石が主に用いられ、小さな印面に繊細な表現を施すために程よい硬さの石が選ばれます。
篆刻は「方寸の中に宇宙を表現する」といわれ、小さい印に大きな広がりを感じさせる様に彫ります。周りのギザギザや割れは「隙(げき)」といって、わざと造ったもので作品の勢いと雅を出す技です。
朱文




白文




朱白混合印

篆刻は実用印というよりも芸術作品としての側面が強く、用途や仕上がりのイメージを丁寧にお伺いしながら、構成や文字の表現をじっくりと推敲して制作いたします。そのため、納期も通常の実用印よりお時間をいただいております。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
篆刻をご希望の際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
お客様の思いを形にできるよう、丁寧に対応させていただきます。
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